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宮坂 宥洪( みやさか ゆうこう)
照光寺住職
成田山蓮華不動院住職
智山伝法院院長

月々の言葉と連載法話
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これまでの法話を毎月一話ずつ紹介していきます。また、毎月境内に貼られる月々の言葉を掲載 していきます。

お寺を訪れる人は、住職の「月々の言葉」に励まされています。ご覧になった方の、心の支えになれば幸いです。

今月の言葉

【起源の話②】vol.54

クローン人間の悪夢

2003年(平成15年)2月14日、6歳になっていたクローン羊のドリーを安楽死させたと、その生みの場所であるスコットランドのロスリン研究所は発表しました。

クローン技術に歯止めがかかったのは、これが原因でした。

ドリーは老化が早く、肺の疾患を患っていました。6歳というと、羊の一般的な寿命の約半分です。ドリーは、6歳の雌羊の乳腺細胞からのクローニングによって誕生していたのでした。

これは何を意味しているかというと、クローン羊のドリーは、誕生した時点で既に6歳の羊だった、ということなのです。

もし80歳の人間のクローンが作られたとしても、その赤ん坊はゼロ歳ではなく80歳の人間として生まれてくるということなのです。

むろん成人として生まれてくるのではなく、赤子から幼少年期・青年期を過ごすのですが、その間に急速度で老化していくことになります。

つまり、クローン生物は、本体の寿命を超えることはない。このことが分かって、クローン技術によって人が永遠の生命を得られるかのような夢は消え失せたのでした。

クローン人間が誕生した場合、法制度をどうするか、これはやはり禁止すべきではないかということが一時議論になりましたが、結局、法律で禁止するまでもありませんでした。

生まれながらにして老いた羊のドリーのような、おぞましく無意味な悲劇は、人為で作りだしてはいけないということに、科学者も気づいたのでした。

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