照光寺タイトル画像
住職写真

宮坂 宥洪( みやさか ゆうこう)
照光寺住職
成田山蓮華不動院住職
智山伝法院院長

月々の言葉と連載法話
バックナンバー

これまでの法話を毎月一話ずつ紹介していきます。また、毎月境内に貼られる月々の言葉を掲載 していきます。

お寺を訪れる人は、住職の「月々の言葉」に励まされています。ご覧になった方の、心の支えになれば幸いです。

今月の言葉

【フィリピン憲法の場合】vol.34

どの国の憲法もそれぞれの歴史と文化を踏まえてつくられたものですから、いずれにも独自の特色があります。他国の人からみたら首を傾げたくなるような記述もありますし、大いに学ぶべき点も多々あります。

試みにフィリピン憲法の前文を引用してみましょう。
「主権を有するフィリピン国民は、全能の神の佑助を祈願し、正義と人道に基づく社会を建設するとともに理想と希望とを体現すべき政府を樹立するため、伝統的遺産を継承発展させ、法の支配と、真実・公正・自由・愛情・平等および平和のための制度に立脚する独立と民主主義とを、われらとわれらの子孫のために敬福として保持し、ここにこの憲法を確定し、公布する。」(これが前文の全文。短いでしょう。なお傍線筆者)
おそらく「全能の神の佑助を祈願し」という傍線部以外は、そっくり日本人にも首肯できる内容ですし、特に「伝統的遺産を継承発展させ」という部分はどの国にとっても大切なことではないでしょうか。

フィリピン憲法第二条第二節は、実に「戦争の放棄」です。
「フィリピン国は、国策の手段としての戦争を放棄し、一般的に確立された国際法規を国法と認め、平和・対等・公正・自由・協調および諸国民との友好を政治原理とする。」
日本国憲法第九条を世界に輸出すべきだという人がいますが、一体どこの国が戦争を国是としているというのでしょう。
ただし、フィリピン憲法第二条第三節は次のごとくです。
「軍隊はつねに文民支配のもとにおかれる。フィリピン国民と国家を擁護し、国家主権の保持と国土の保全を目標とする。」
国策として戦争は放棄するが、国防は怠らない。当然のことです。

フィリピン憲法第二条第十二節は、「家族生活の尊重」を定めています。
「国は家族生活の絆を神聖なものと認め、家族を社会制度の基本的かつ自然的単位として保護強化する(以下略)」
日本国憲法にも「家族」に関する規定は、あることはあります。
第二十四条に「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立する」と。
しかし、「両性の合意のみ」で成立する婚姻など犬猫と同じではありませんか。日本国憲法にも民法にも「家族」の語はなく、今の日本には法律上「家族」は存在しないのです。こん な国、どこにあります?

照光寺について

住職より