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宮坂 宥洪( みやさか ゆうこう)
照光寺住職
成田山蓮華不動院住職
智山伝法院院長

月々の言葉と連載法話
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これまでの法話を毎月一話ずつ紹介していきます。また、毎月境内に貼られる月々の言葉を掲載 していきます。

お寺を訪れる人は、住職の「月々の言葉」に励まされています。ご覧になった方の、心の支えになれば幸いです。

今月の言葉

【愛国心について】vol.28

学校で愛国心教育をすべきかということが問題になっています。
教育基本法改正の焦点となっていた「愛国心」について、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」という表現を入れることで与党が合意したことに対して野党はこぞって反撥し、愛国心は大切だが学校で強制すべきでないとか、戦前への回帰だとか、愛国心教育は戦争につながるなどと懸念を示し、マスメディアや教育界でも批判的な論調のようですが、こんな議論をしている国は世界の中でも日本だけでしょう。愛国心教育は世界では常識の部類に属することです。

例えば世界最大の多民族国家であるアメリカの場合、星条旗のもとに結束する愛国心なくては、国家の維持はおぼつかないわけです。ですからアメリカでは徹底した愛国心教育がなされています。
他の多くの国でも事情は同じです。それが常識になっているのは必要不可欠だからです。これを否定する意見がまかり通る日本は、殊更それが必要でないと思われている点で世界の中でも際だっています。

先般、中国の大手ニュースサイトが、「生まれ変わっても中国人になりたいですか?」とアンケートしたところ、1万人以上の回答者の64%が「なりたくない」と答えたと伝えられています。韓国でもネットユーザーを対象として「再び生まれるとしたら韓国人として生まれたいですか?」と尋ねるアンケート調査をしたら、7割近くが「他の先進国に生まれ変わりたい」と答えたそうです。
愛国心教育をきわめて熱心に行っている国々の結果がこうです。

戦後このかた一度も愛国心教育が行われてこなかった(だからすべきかどうか今議論になっている)日本で同様のアンケートをしたらどういう結果になるのでしょう。散々な結果になるのでしょうか。
もしもう一度、生まれ変わるとしたらあなたは日本人になりたいと思いますか?
あるテレビ局が数年前に行ったアンケートでは、実に89%の人が「生まれ変わっても日本人になりたいと思っています」と答え、ごく最近の別の調査では、その回答はなんと99%に達しています。
日本人は愛国心教育がなされなくても、この国が好きなのです。愛国心教育を否定している人たちはどこの国に生まれ変わりたいのでしょうね。

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