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宮坂 宥洪( みやさか ゆうこう)
照光寺住職
成田山蓮華不動院住職
智山伝法院院長

月々の言葉と連載法話
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これまでの法話を毎月一話ずつ紹介していきます。また、毎月境内に貼られる月々の言葉を掲載 していきます。

お寺を訪れる人は、住職の「月々の言葉」に励まされています。ご覧になった方の、心の支えになれば幸いです。

今月の言葉

【起源の話①】vol.53

ヒトゲノムの解読

もう10年以上も前のことになりますが、平成16年4月14日、日米英など6ヶ国の首脳は計24の研究機関が協力して進めてきたヒトゲノム(人間の全遺伝子情報)の解読が完了したと宣言しました。

その結果、分かった数値は、塩基約30億7千個、遺伝子総数32615個。途方もなく膨大な数字です。

これだけの情報が人体を構成する約60兆個のどの細胞にも潜んでいるというのです。その膨大な全情報が書き込まれている染色体は、わずか2千億分の1グラムにすぎない……。

ヒトゲノムが解読されたあかつきには、これでようやく生命の神秘が解き明かされるだろうと期待されていました。人間のすべてが分かるかのようにさえ思われていました。遺伝子組み換えによる病気治療だとか、クローン人間の誕生も夢ではないと思われていたのです。

ところが、解読が完了して分かったことは何かというと、「あまりにも神秘すぎる」ということでした。いったい誰がこんな超精密な仕組みを造り賜うたのかと問わざるをえなくなってしまったのです。これほどの「わざ」が自然界における偶然の産物だとは到底考えられないと、科学者は思案にくれたのでした。

さらに今から溯ること20年前の1996年(平成8年)7月5日、イギリスで「ドリー」と呼ばれるクローン羊が誕生しました。雌雄の成体の体細胞を用いた哺乳類初のクローン生物誕生の報道は全世界に衝撃を与えました。

この実験の成功は直ちにクローン人間の誕生を予想させたものです。

実際、その5年後、「米ケンタッキー大のバノス・ザボス教授(生殖生理学)は、不妊治療を目的に、1、2年のうちにクローン人間を誕生させる計画を発表した。(中略)日本では六月から施行される法律で禁じられるクローン人間づくりが現実味を帯びてきた」と報じられました(平成13年1月29日『朝日新聞』)。

しかし今現在、クローン人間の誕生はおろか、クローン技術のことは、ほとんど話題にもなりません。なぜでしょうか。

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