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宮坂 宥洪( みやさか ゆうこう)
照光寺住職
成田山蓮華不動院住職
智山伝法院院長

月々の言葉と連載法話
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これまでの法話を毎月一話ずつ紹介していきます。また、毎月境内に貼られる月々の言葉を掲載 していきます。

お寺を訪れる人は、住職の「月々の言葉」に励まされています。ご覧になった方の、心の支えになれば幸いです。

今月の言葉

【起源の話⑥】vol.58

最初の生命

最初の生命はいつ生まれたのでしょうか。

地球が誕生して、8億年後の約35億年前、地表は海に覆われていました。世界最高峰のエベレストも、その頃は海底にあったようです。

太古の地球は想像を絶する世界です。

海底3000メートルの深海から吹き出す摂氏350度を沸点とする熱水の中に、硫化水素をエネルギー源とする生物が棲息していたことが、西オーストラリアの北部ピルバラ地域の35億年前の地層に眠るバクテリアの化石の発見によって明らかになりました。

これにより生命の起源は、ほぼ35億年前に遡ると言われるようになったのですが、もしかすると、今後もっと古い時代の地層から生命の痕跡が発見される可能性はあります。

原初のバクテリアのような原核生物は、8億年を経て真核生物に進化し、それが光合成をすることによって、地球を酸素に満ちた惑星に変え、それから数億年たって多細胞生物に進化したとされています。

このような生物の発生とその後の億単位の年数を重ねて変化を遂げる事態は、果たして本当に偶然の産物なのでしょうか。これが最大の問題であり、大きな謎です。

数十億年前の地球環境を実験室で再現することは、今の科学技術をもってすれば不可能ではありませんが、どんな実験装置からも生命は誕生しません。生物にとって不可欠なタンパク質を構成する最も単純な単位である化合物のアミノ酸をつくることはできますが、アミノ酸自体は生命ではありません。

そのアミノ酸が偶然に結合して生物に必要なタンパク質となる確率は限りなくゼロに近く、甘く見積もっても理想の条件下で、地球の推定年齢の20倍以上は要するといわれます。

人間の手で無機物から有機体である生命をつくりだすことは出来ません。これは歴然とした証明済みの事実なのです。

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